衛星データを使った中学校での「地理実験」試行
書誌事項
- タイトル別名
-
- "Geographic experiment" trial in junior high school with satellite data
抄録
I はじめに<BR> 現在、Google Earthで遊ぶ小中学生が増えている。中学・高校の地理・地学の教科書にも光学衛星画像が掲載され、宇宙航空研究開発機構でも小中学校に光学衛星画像を提供している。しかし、衛星データは、光学衛星画像の判読に留まらず、解析を深化させ、新たに付加価値の高い情報を抽出することに利用すべきである。<BR> 本研究では、インターネットに接続したパソコンとインターネットブラウザさえあれば、全国どこの中学・高校でも、授業の中で、マルチスペクトル画像・熱赤外画像などの衛星データを使い、緑被率やヒートアイランド現象の分析などの「実験」を行えるよう、Web GISを整備し、ALOS・Landsat衛星データセットおよび教員向けの指導マニュアルを整備するため、実験を試行する。<BR> これまで、資源・環境観測解析センターと、山口ら(2004)が、無料ソフトを使った実験教材を作成しているものの、衛星データ自体は有償で購入しないとならないなどの問題がある。<BR><BR> II 研究方法<BR> 授業計画を検討した上で、私立中学校(慶應義塾普通部)にて実験を試行し、生徒に対し、アンケート調査(Google Earth利用歴、面白かった実験、実験による興味の変化、将来の進路等)を行う。<BR><BR> III 授業計画の検討<BR> 中学・高校では、インターネット回線が8~12Mbps程度で、生徒40人が一斉にインターネットに接続できないところや、パソコン教室が技術や情報の授業に使われて空きがないところも多いため、5人1組でWeb GIS を使ったり、Web GIS から得たデータをフリーのデスクトップGISで読んだり、画像を紙に印刷したりすることを想定した。<BR> 実験テーマは、教科書の内容に結びつけられるものに、総合学習用として大学学部のリモートセンシング入門科目の内容を加え、Web GIS(Arc GIS Server)の機能や、ALOS衛星データの著作権を考慮して選定した。教諭が衛星画像を説明するだけで完結するテーマは、教諭による教卓実験とし、干渉SARによる地殻移動分析・洪水範囲分析のような最先端の高度な分析も、解析結果の画像を紹介するに留めた。<BR><BR> 参考文献<BR> 山口靖・八木令子・小田島高之監修 2004.『はじめてのリモートセンシング 地球観測衛星ASTERで見る』ジオテクノス株式会社.<BR>
収録刊行物
-
- 日本地理学会発表要旨集
-
日本地理学会発表要旨集 2010s (0), 260-260, 2010
公益社団法人 日本地理学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680670394496
-
- NII論文ID
- 130007016655
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可