卵白の起泡性に及ぼす油及び卵黄混入の影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of oil and egg yolk contamination on the foaming properties of egg white
抄録
【目的】スポンジケーキのような菓子類では、卵白は泡立てて用い、その泡の特性が製品の品質に大きく影響する。多くの料理本や参考書、学術論文には、卵白への油や卵黄の混入は微量であっても起泡性を大きく低下させると書いてある。しかし予備実験では、卵白への少量の油の添加は必ずしもそうとは限らないのではないかと考えられた。そこで、本研究では卵白の起泡性に及ぼす油及び卵黄混入の影響について明らかにすることを目的とした。<br>【方法】市販鶏卵の卵白100g(だけをコントロール:C)に、食用サラダ油を卵白の0.1~3%(油泡)、または卵黄を0.1~1%(卵黄泡)添加し、Kitchen Aid Mixerを用い、S6で2~8分間泡立てた。継時的に得られた泡の外観を写真撮影し、比重、離液率(10~30分)、テクスチャー特性値等を測定した。それぞれ最も良い泡立て時間の泡を用いて、シフォンケーキ及びエンゼルケーキを焼成し、高さ及び体積を測定した。<br>【結果及び考察】外観から判断した最も良い泡は、Cは3分で、油を添加してもそれは変わらなかったが、卵黄泡は添加量が増加するにつれて良い泡を得るための泡立て時間が長くなった。外観の良い泡の比重においてCと有意差がなかったのは、油泡では2%まで、卵黄泡では0.1%までであった。30分後の離液率は、油泡も卵黄泡も0~最大量まで有意差はなかった。泡の硬さ、凝集性、付着性においてCと有意差がなかったのは、油泡の全てと卵黄泡の付着性で、卵黄泡の硬さと凝集性は0.2%までであった。シフォンケーキ及びエンゼルケーキの高さは、油泡では1%まで、卵黄泡では0.1%までCと有意差がなかった。微量の卵黄の混入は、卵白の起泡性や起泡卵白を用いた菓子類の品質低下をもたらすが、油混入の影響は卵黄より小さいと考えられた。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 27 (0), 64-, 2015
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680670457216
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- NII論文ID
- 130005489762
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可