酵素添加した煮大豆の物性・咀嚼性に及ぼす加熱状態の影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of heating condition on the physical properties and texture of the cooked soy bean added with enzyme.

説明

【目的】加齢や疾患に伴って咀嚼・嚥下などの生理機能が低下すると,食品に求められる特性は,栄養価や味に加えてテクスチャー特性が重要となる。そこで,本研究では市販の酵素を用いて形状を変えることなく,加熱方法の違い,または酵素の有無による煮大豆の物性の変化と嗜好性,咀嚼性の関連について比較,検討することを目的とした。<br>【方法】試料は北海道産鶴の子大豆(北尾商事株式会社)を,酵素はスベラカーゼミート(株式会社フードケア)を使用した。大豆50gに蒸留水を150g加えたものを酵素未処理試料,さらに酵素を3g加えたものを酵素処理試料とし,20℃の恒温器内で15時間浸漬した。浸漬後,蒸留水と調味料を加え,普通鍋と圧力鍋を用いて加熱した。普通鍋では1時間加熱し,圧力鍋では3分間の加圧時間をとり,調理を行った。酵素の有無,または調理法の違いによる4種の試料を用いて貫入試験,テクスチャー測定,重量変化率,官能評価,筋電位測定を行った。<br>【結果】酵素を添加し、浸漬した大豆の吸水量は、蒸留水で浸漬した大豆より減少し、硬さへの影響が少なかった。圧力鍋で加熱した煮大豆は、普通鍋加熱より応力が小さく,凝集性が高く,付着性がみられた。また官能評価では軟らかく,口の中でまとまりやすく,飲み込みやすく,おいしいと評価された。筋電位測定では咀嚼時間が短く,咀嚼回数も少なかった。つまり,圧力鍋で調理することで,やわらかくなるだけでなく,より食べやすく飲み込みやすいテクスチャーとなることが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670493440
  • NII論文ID
    130005481312
  • DOI
    10.11402/ajscs.26.0_23
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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