諫早干拓問題
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- 淺野 敏久
- 広島大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Isahaya Bay Tideland Reclamation Project
- A problem as struggles for 'meaning of Place'
- 場所の意味をめぐる問題として
説明
1.はじめに 本発表では諫早湾干拓事業をめぐってどのような出来事が起きてきたのかを概観するとともに,干拓推進・反対の運動さらに現在の有明海の異変と事業の関連を問う運動の流れを紹介し,この問題を「場所の意味をめぐる問題」として捉えることの有効性を述べる。2.諫早湾干拓事業をめぐる問題の流れ 「有明の子宮」とよばれた諫早湾では,第二次大戦後,早い段階から大規模干拓が構想・計画されており,情勢の変化や沿岸漁民等の反対により,それらはつぶれたり復活したりしてきた。それでも1983年からのプランは規模縮小と事業目的に治水を掲げたことで実際に動き出し,90年代半ばの潮受け堤防の締め切りが全国的な反対運動を招いたことで,大きな社会問題になった。堤防閉鎖後,有明海のノリ養殖などに悪影響が及んだため,有明海沿岸漁民や一般市民を巻き込んだ新たな環境運動が生まれている。3.場所の意味をめぐる問題としての諫干 この一連の動きをどのような問題ととらえるのかは,問題の解決のためにも必要な作業である。特に,現状ではさまざまな文脈からの主張が出されており,それらがかみ合っていないことに問題の一端があるようにも思われる。このさまざまな立場からなされる主張の文脈のズレを,「場所の意味をめぐる問題」として捉えようというのが本報告の趣旨である。
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2004f (0), 10-10, 2004
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680670522240
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- NII論文ID
- 130007016719
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可