茨城町郷土料理「つと豆腐」の伝承状況とその関連要因

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  • The current lore situation of the regional cuisine Tutodoufu in Ibaraki-machi

抄録

茨城町郷土料理「つと豆腐」の伝承状況とその関連要因 <br>○石島恵美子1),阿部信一郎2),田村誠2),安島清武2)<br> (1)東京学芸大学大学院連合大学校,2) 茨城大学) <br>【目的】多くの郷土料理は,伝承機会が減少し消失の危機にある。本研究では,茨城県中央部に位置する茨城町の郷土料理である「つと豆腐」の喫食現状を把握するとともに,伝承意識に影響を及ぼす関連要因を検討することとした。 【方法】調査対象者は,茨城町5地区から住民200名ずつ合計1000名を無作為抽出し,2015年10月に質問紙を郵送で行った。回収率は33.8%で,有効回答数は313票であった。質問紙の項目は,属性として性別や年齢居住形態など6項目,共生意識に関すること10項目,郷土料理の伝承意識に関すること4項目,つと豆腐に関すること15項目,合計35項目とした。 【結果】つと豆腐を知っている人は,回答者の37.1%で,50歳以上が47.8%であったのに対し,50歳未満では22.6%であり,年代による差が見られた。50歳未満でつと豆腐を知っている人は,日常的に調理し,近所付き合いに積極的で,家庭での年中行事をよく行うという傾向が見られた。つと豆腐を知っていると回答した人のうち,現在もつと豆腐を食べている人は19.7%,食べたことが無い人は9.7%であった。また,現在もつと豆腐を作っている人は9.2%,作ったことが無い人は67.3%であった。つと豆腐を調理しない理由で最も多かったのは,「作る機会がない」で61.1%,喫食機会は「通夜」が最も多く(37.4%),喫食場所は「親戚の家(18.1%)が最も多かった。重回帰分析の結果,つと豆腐の伝承意識は,積極的に地域のイベントに参加し,つと豆腐を美味しいと感じる人で高くなる傾向が認められた。重回帰係数の比較から,つと豆腐を美味しく感じることが伝承意識に一番影響を与えていることがわかった。  <br>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680670741504
  • NII論文ID
    130005264186
  • DOI
    10.11402/ajscs.28.0_15
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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