海外種と比較した和牛肉の食味特性
書誌事項
- タイトル別名
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- The sensory characteristic of the Japanese cattle in comparison with overseas species.
抄録
【目的】昨今の牛肉自給率は40~42%である。わが国の肉用牛は黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の和牛および乳牛とその交雑牛である。それらの食味は異なるといわれているが、詳細は明らかではない。そこで海外種および黒毛和種、褐毛和種、日本短角種および交雑種の食味を比較検討し、それらの特長を明らかにすることを目的とした。【方法】試料は黒毛和種76頭、褐毛和種5頭、日本短角種4頭および交雑種31頭の国内牛肉と海外種17頭の合計133頭とした。各試料を1cm厚さに調製し200 ℃に熱したホットプレートで表面60秒、裏面を内部温度60℃になるまで、合計約120秒焼成し、3×4cmに切りだし、官能評価試料とした。試料の温度は24±2℃で供した。パネルは五味識別、うま味濃度差訓練を行った訓練パネル7~9名とし、評価項目はテクスチャー、フレーバー項目および総合評価の13項目の分析型官能評価を行った。【結果】黒毛和種は、褐毛和種に比べてテクスチャーおよび香りに関する項目で有意な違いはみられなかったが、「うま味の強さ」は有意に高い評価となった。黒毛和種はその他4種と比較するとテクスチャー、風味に関する項目で有意に高く、食味の良さ、すなわちテクスチャーおよびフレーバーともにバランスのとれた牛肉であることが示された。褐毛和種はテクスチャー項目においては日本短角種、海外種に比べ高値となり、黒毛和種に次ぐ評価となった。交雑種はフレーバー項目の評価が黒毛和種同様高いのが特徴的であり、日本短角種は他の国内牛肉よりも硬く、海外種はテクスチャー、フレーバーともに、評価は低くなった。また、黒毛和種では産地により違いがみられ、異なる特長が示された。
収録刊行物
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- 日本調理科学会大会研究発表要旨集
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日本調理科学会大会研究発表要旨集 28 (0), 148-, 2016
日本調理科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680670773248
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- NII論文ID
- 130005264205
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可