シドニーおよびメルボルン大都市圏における社会特性
書誌事項
- タイトル別名
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- Social Characteristics in the Sydney and Melbourne metropolitan areas
抄録
はじめに<br> 本報告は,オーストラリアのシドニーとメルボルンの2つの大都市圏の多文化性に焦点を当てるものである。これまで,アメリカ合衆国やカナダ,ヨーロッパ諸国,東南アジア諸国等に比べ,オーストラリアを事例とした大都市圏内部の社会・経済特性に着目した研究蓄積は比較的少ない印象は否めない。<br> 使用するデータは,オーストラリア統計局(以下,ABS)の発行する2006年国勢調査データの公開サービス(有料)の一部機能である「テーブル・ビルダー」を利用して独自に作成したデータである。これにより,大都市圏全域の小統計区であるCD(Collection District)を対象に,民族的な出自,宗教,所得,学歴等々家庭で使用する言語や所得,通勤に使用する交通手段等に関する詳細なデータが取得可能となった。また,単一属性のみならず,「家で中国語を話し」かつ「週給2,000豪ドル以上の高所得者」というような2種類の属性をクロスさせたデータも,特定の大都市圏や都市,中統計区SLA(Statistical Local Area),CDといった任意の地区に対して入手可能である。<br><br> 結果の概要<br> まず,両都市に共通して,キリスト教が最多の分布をみせることが挙げられる。それ以外の宗教についてみると,図1に示したシドニーでは海岸部の比較的高所得者層の多い地区にユダヤ教が,また都心から南西部の郊外にかけて広がる製造業集中地区においてイスラム教や仏教が比較的まとまって分布していることがわかる。<br> また,図2に示したメルボルンでは,ユダヤ教の集中地区は南東部の郊外で確認されるが,シドニーとは異なり高所得者層の分布とはあまり重ならないこと,また,イスラム教やヒンズー教,仏教などのキリスト教以外の宗教についての集積度はシドニーに比べて相対的に高くないことがみてとれる。<br> 他の社会・経済的属性との関連については当日報告する。
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2010f (0), 116-116, 2010
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680670899072
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- NII論文ID
- 130007017237
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可