谷川岳山麓の気象観測データを用いたフェーン発現日の抽出

DOI
  • 重田 祥範
    立正大学地球環境科学部環境システム学科
  • 渡来 靖
    立正大学地球環境科学部環境システム学科
  • 中川 清隆
    立正大学地球環境科学部環境システム学科
  • 吉﨑 正憲
    立正大学地球環境科学部環境システム学科

書誌事項

タイトル別名
  • Extracting foehn occurrence using the meteorological data at the foot of Mt. Tanigawa-dake

抄録

関東平野北西部では2007年8月16日に埼玉県熊谷市で国内最高気温(当時)となる40.9℃を記録するなど,暖候期に35 ℃以上の猛暑がしばしば発生している.この猛暑の要因の一つとして,上信越山岳域を越える気流がフェーン的な現象をもたらしているとの指摘がある.我々研究グループは,2012年8月からこの猛暑の形成機構解明を目指して,上信越山岳域の利根川-魚野川谷筋に17地点および碓氷川-千曲川谷筋に7地点の計24地点に独自の気象観測網を構築している.日本海側からの一般風が関東平野に到達するには,谷川岳や三国山脈が大きな障害となっている.この風が関東平野に吹き込むには,山越え気流となるか,魚野川-利根川の谷筋等のギャップを吹き通る可能性が高い.そこで本研究では,谷川岳山麓に位置する新潟県湯沢町土樽(標高396m)と群馬県みなかみ町湯檜曽(標高585m)の通年観測の結果から温位を算出し,両地点の温位差からフェーン発現日の抽出を試みた.<br> その結果,湯沢町(日本海側)が高温位となる日に,季節的な変化認められなかった.その一方で,みなかみ町(太平洋側)では,日平均で3.0℃以上の高温位となる日が3月中旬から4月下旬頃に集中し,夏季には値が小さくなっていた.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680671189248
  • NII論文ID
    130005481511
  • DOI
    10.14866/ajg.2014a.0_71
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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