高齢者の買い物行動と食品摂取への影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Shopping behavior of the elderly and its effect on food intake
抄録
I.研究の背景と目的 FDsは,社会・経済環境の急速な変化のなかで生じた「生鮮食料品供給体制の崩壊」と,「社会的弱者の集住」という2つの要素が重なったときに発生する社会的弱者世帯の健康悪化問題である.高齢者の健康状態に大きく影響を及ぼす食の多様性は,買い物環境や買い物行動と関連があると考えられる.本研究は,買い物行動が高齢者の食多様性に与える影響を明らかにする.Ⅱ.対象地域と研究方法 研究対象地域は,都市中心部の空洞化が顕著である人口が約26万のA市の中心市街地とする.高齢者の栄養摂取の状況と買い物行動を把握するために,A市市民センターで行われている高齢者向け講座への参加者を対象として,2015年11月にアンケート調査を行った(114部回収,有効回答60部).栄養摂取の状況については,食品摂取の多様性得点を指標とした.また,一部の者を対象に聞き取り調査も併せて行った.Ⅲ.高齢化と店舗立地の変化 2010年におけるA市中心市街地活性化基本計画都市中枢ゾーンに相当する町丁目の高齢化率は22.6%であり,A市全域の高齢化率(21.8%)をわずかに上回る程度である.これは,多くの高層マンションが立地したことにより,2005年の高齢化率(24.1%)から低下したためである.高層マンションの立地が少ない町丁目では,高い高齢化率を示している(図1).食料品スーパーは中心市街地西端と,東端に立地するのみであり,中心市街地中央部周辺において食料品スーパーへの近接性が低下している.一方でコンビニエンスストア(以下,CVS)は中心市街地に14店舗立地している.人口分布と食料品スーパーの分布から作成した需給サーフェスをみると,特に西部において値が高く,店舗へのアクセスが悪い高齢者が多いと考えられる.Ⅳ.高齢者の買い物行動と栄養摂取 回答者の食品摂取の多様性得点の平均値は6.17であり,栄養摂取の状況は良好であった.しかし,その傾向は買い物行動によって差異がみられた.複数の買い物先利用が「有」の世帯における食品摂取の多様性得点の平均値は,「無」の世帯のそれを1点あまり上回っていた.この傾向は「買い物に不便を抱えている」と回答した世帯においてさらに顕著であり,その差は2点弱に至った.このことから,多数の買い物手段および買い物先組み合わせの選択肢を増やすことが,栄養摂取を高めることに寄与するといえる.<br>
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2017s (0), 100059-, 2017
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680671444608
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- NII論文ID
- 130005635536
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可