インド・アッサム州の村落土地利用と耕地所有
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- 浅田 晴久
- 京都大・院
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- デカ ニッタナンダ
- ゴウハティ大学
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- バガバティ アバニ クマル
- ゴウハティ大学
書誌事項
- タイトル別名
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- Landholding Structure and Rural Land Use of Assam, India
- A Comparative Study in Two Villages in the Brahmaputra Floodplain
- ブラマプトラ川氾濫原の2村落の比較を通して
抄録
1. はじめに<BR> インド北東地方には言語や文化が異なる民族が多数暮らしていることが知られている。アッサム州にも多数の民族が暮らしているが、1970年代から拡大していった民族運動や政治動乱により治安が不安定な状態が長年続いたために、その生活様式や生業についてはほとんど明らかにされてこなかった。<BR> 第一演者(浅田)はアッサム州東部のアホムの村落に滞在し、2007年より現在に至るまで稲作様式に関する調査を断続的に行ってきた。アホムとは13世紀初めに中国雲南省からブラマプトラ渓谷へ移住してきたタイ系の民族のことで、彼らが州東部に建てたアホム王国は13世紀から19世紀までの約600年間に渡りブラマプトラ渓谷を支配し、今日のアッサム州社会の基礎を築く役割を果たした。アッサムという州名も彼らの名に由来する。<BR> これまでの調査結果から、現在アホムが用いている稲作技術には東南アジア山地部のタイ系民族に共通して認められる要素がほとんど見られず、むしろバングラデシュやインドのデルタ地域で行われている稲作と共通する技術要素が多いことが判明した。従来はアホムが中国型の稲作技術を東南アジアからインド世界へ伝えたと考えられていたが、少なくとも現在のアホムの稲作様式には東南アジアと文化的な関連性はほとんど見られず、稲作はブラマプトラ川氾濫原の生態環境に適応する形で営まれている。<BR> 本研究では土地利用と耕地所有の観点からアホム村落とアッサム州内のアホム以外の民族、アホミヤ(アーリア系ヒンドゥ教徒のアッサム人)の村落を比較することで、アホムの生活様式に見られる特徴をさらに考察することを目的とする。<BR><BR> 2. 調査地の概要とデータ<BR> 調査村はアッサム州東部のロングプリヤ村(アホム)と州西部のムクタプル村(アホミヤ)である(図1)。ともにブラマプトラ川北岸の氾濫原に位置しているが、民族の違いの他に、村の設立年代もロングプリヤ村が約100年前、ムクタプル村が約400年前と異なっている。<BR> 本研究のデータは調査村で2006年から2009年までの期間に行った現地調査の結果に基づく。統計資料や衛星画像などの2次資料も必要に応じて利用した。ロングプリヤ村に関しては第一演者(浅田)が、ムクタプル村に関しては第二演者(デカ)がそれぞれ個別に調査したため、調査手法や調査期間が異なっている部分もある。<BR><BR> 3. 結果と考察<BR> 調査村落の土地利用を調べた結果、両村落ともに自然堤防の高みに屋敷地と畑作地、そこから後背湿地の低みに向かって高収量品種、在来品種、深水稲という水田としての利用が見られることが明らかになった。世帯毎の耕地所有については、両村落ともに1ha以下の世帯が最も多く、1筆当たりの面積も小さいが、設立年代が新しいロングプリヤ村では世帯毎の所有界が規則的であるのに対し、設立年代が古いムクタプル村では各世帯の所有耕地が村内に点在しているという特徴がある。<BR> このことから、ブラマプトラ川氾濫原の村落は民族に関係なく、生態環境に適応していることが示唆される。後から移住して来たアホムは元からいた民族から生活様式全般について学習した可能性も考えられる。
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2011s (0), 62-62, 2011
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680671672192
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- NII論文ID
- 130007017636
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可