熱帯アジアモンスーンのオンセット前後における土壌水分の降水特性への影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Impact of soil moisture over the tropical Asian monsoon region on rainfall characteristics around the summer monsoon onset
抄録
東南・南アジアモンスーン域でのオンセット前には、背の高い対流性の降水がみられるのに対して、オンセット後には、降雨面積の広い降水が卓越するなど、降水特性が急激に変化する。興味深いことに、このような季節変化は、海上ではみられない(e.g. Takahashi 2016)。その季節変化の原因として、大規模な大気循環場の変化がよく調べられている。一方で、地表面状態も大きく変わるため、その影響も考えられるが、陸面の大気への影響という観点からの研究は少ない。本研究では、アジアモンスーン域の降水特性の季節変化について、地表面の乾湿状態(土壌水分)がどれだけ影響を及ぼしているかを定量的に調査することを目的とする。<br>本研究では、領域気候モデルを用いる。計算領域は、インドシナ半島を中心とした東南・南アジアモンスーン領域である。2010年と2011年の3月から7月までを対象に再現実験(CTL)を行った。さらにCTLに対して土壌水分のみを積分期間全体で固定した感度実験を行った。Sugimoto and Takahashi(2017)とTakahashi et al.(2010)を参考に、感度実験は、体積含水率で0.1 m3/m3に設定した実験をDRY実験と0.45 m3/m3に設定したWET感度実験を実施し、二つの実験の差から土壌水分の感度を評価した。<br>DRY実験とWET実験の南アジアの一部で領域平均した降水強度の季節推移を調べたところ、DRY実験でオンセット前に降水強度が強く、WET実験ではそれに比べて降水強度が弱かった。このことから土壌水分の違いが降水特性の違いに影響を与えていることが示唆された。しかしながら、複数の年の結果も調べるなどより系統的な実験を行う必要がある。<br><br>参考文献:<br>Takahashi, H.G., 2016: Seasonal and diurnal variations in rainfall characteristics over the tropical Asian monsoon region using TRMM-PR data. SOLA, 12A, 22-26. Sugimoto, S., and H.G. Takahashi, 2016: Effect of Spatial Resolution and Cumulus Parameterization on Simulated Precipitation over South Asia. SOLA, 12A, 7-12 Sugimoto, S., and H.G. Takahashi 2017: Seasonal differences in precipitation sensitivity to soil moisture in Bangladesh and surrounding regions. Journal of Climate, in press.
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2017s (0), 100331-, 2017
公益社団法人 日本地理学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680671893248
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- NII論文ID
- 130005635858
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可