北東アジア沿岸,海洋域の植生から見た日本の高山・亜高山帯の植生地理
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- 沖津 進
- 千葉大学大学院園芸学研究科
書誌事項
- タイトル別名
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- Vegetation geography of alpine-subalpine regions of Japanese mountains viewed from vegetaion of martime-oceanic regions of northeastern Asia
抄録
本州中部日本海側山地亜高山域を対象として,それを構成する主な植生を取り上げ,極東ロシア沿岸,海洋域の対応植生との植生地理的関係を議論した.亜高山域は高木林域と低木林域から構成される.高木林域の主要植生はオオシラビソ林,ダケカンバ林,広葉草原(お花畑),偽高山植生,低木林域の主要植生はハイマツ低木林,雪田植生,風衝植生,荒原植生である.偽高山植生を除く7タイプの主要構成種の組成や分布地理を検討した.重複も含めた分布地理を見るとオホーツク沿岸型が5タイプ,東シベリア型が3タイプ,環北太平洋型(ベーリング要素型)が2タイプ,周北極型は1タイプであった.日本海側山地亜高山植生は太平洋北部の湿潤気候に分布の本拠を置くことがわかる.これらの植生地理的議論から,最終氷期の亜高山植生は,現在推定されている状態と異なり,湿潤気候要素が地形的すみわけをしながら点在分布し,それらのレフュージアとなっていたことが想定される.
収録刊行物
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- 日本地理学会発表要旨集
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日本地理学会発表要旨集 2011s (0), 172-172, 2011
公益社団法人 日本地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680671924352
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- NII論文ID
- 130007017814
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可