古代における地名の表現と空間認識

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タイトル別名
  • Expression of the place names and the spatial perceptions in ancient Japan
  • 六国史からの考察を中心に
  • focusing on consideration from the six national history of Japan

抄録

本発表は、古代における地名の表現が空間認識とどう関連しているか明らかにすることを目的とする。その際、史料として六国史を用いる。発表者は、主に平安中期以降の史料や貴族の日記に記述された地名に着目し、これを図化することを通じていくつかの論考をまとめてきた(安藤2009、2011bなど)。日記は同時代史料であり、地名の表現は具体的なものも多い。ただ、地図化する際に、簡単には地点表示できないものもあったことは確かである。史料のGIS化などが進む(山田・尾方2008など)現在、地点表示ができるかどうかは重要な課題である。 現在、日記史料以前の時代の地名を整理するに当たり、これらの史料の地名表現の実態と、それが空間認識とはどう関連するか、分析した。例えば、 『日本後紀』(桓武天皇)の地名の表現をみると、人物の出身、行動の主体、命令などは国・郡レベルの記述に多くはとどめられている。一方、巡幸・野行幸や天皇の居所など、天皇の行動に関係する地名は具体的に書かれていることが多い。さらに、田地・寺社・場所(位置)を示すものも比較的具体的に書かれることがわかった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680672360704
  • NII論文ID
    130005473548
  • DOI
    10.14866/ajg.2013a.0_100135
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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