The establishment of the Japanese community in Shanghai from the perspective of spatial pattern

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Other Title
  • 空間的形態からみた上海における日本人集住地域の形成過程
  • 古北エリアを事例として
  • take Gubei for example

Description

1. 研究背景と目的グロバール化に伴って日本企業が海外進出を始めてから約30年が経過した.この間,企業の移動に伴って海外に在住する在留日本人が急増し,幾つもの国際的大都市に日本人集住地域が形成されてきた.中でも,中国における在留日本人の急増が最も注目されている.現在,中国における在留日本人は14万人に達し,そのうちの41%(56,313人)が集中する上海は,最大の日本人集住地域といわれている.加えて,上海における日本人集住地域は,欧米地域や新興経済工業地域のそれと比べて大規模で,日本人集団内部の属性も多様であり, ホスト社会の中国側から影響を受けている.そのため,本研究は上海における日本人が最も集住する「古北エリア」を対象地域として選定し,アンケートおよび聞き取り調査を通じて日本人集住地域における空間的形態の経年変化に注目してその形成過程および要因を考察する.2.対象地域と研究方法古北エリアは発展途上国である中国の上海市長寧区に位置し,1990年代に市政府によって外国人住宅地として指定され,開発された地域である.古北エリアは中国の外国人政策や特別な国内事情などに影響されることが多いため,その形成背景において吟味すべき点が幾つもある.特に,2003年までの外国人政策によって,外国人用と中国人用のマンションが分けられ,また居住エリアも制限されていたため,古北エリアは必然的に日本人を含めた外国人が集住するようになってきた.しかし,2003年以降外国人に居住地が開放になって以来,古北エリアはさらに拡大して世界中でも随一の日本人集住地域に成長してきた.そのため,本研究は2003年を境に初期と拡大期に分けて,住宅地および日本式の生活関連施設の2点に注目し,日本人集住地域における空間的形態の経年変化を把握する.さらに,在留日本人の集団内部での多様性に焦点を当て,その属性と居住分布との関連を分析する.その上で,形成要因を外的要因と内的要因を分類して考察する.以上の研究手順を踏まえ,上海における日本人集住地域の形成過程を考察する.3.空間的形態の形成4.日本人の住み分け日本企業の海外戦略の調整によって,古北エリアにおける在留日本人の属性が多様であるため,本研究は基本属性の相違から在留日本人を「駐在員およびその家族」や「現地起業者」,「現地採用者」に類型区分する.その結果,日本人の類型別に異なる居住パターンがみられた.「駐在員およびその家族」:高級住宅団地,拡大期マンション「現地起業者」および「現地採用者」:初期マンション5.おわりに以上の調査から,上海における日本人集住地域の空間的形態の形成要因については,外的要因として中国外国人政策や日本企業の海外戦略の影響を受けて,空間的景観が形成されている.内的要因として日本人の類型区分に該当し,それぞれの特性から日本人集団内部に住み分けの居住パターンが形成されている.よって,上海における日本人集住地域の形成メカニズムは計画形成型から自然形成型になっていることが分かる.

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680672946176
  • NII Article ID
    130005473143
  • DOI
    10.14866/ajg.2013s.0_152
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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