仙台平野南部に伏在する活断層とその地下構造 - 反射法地震探査および重力探査に基づいて -

書誌事項

タイトル別名
  • Subsurface structure of concealed active fault in the southern part of Sendai plain, based on seismic and gravity survey

説明

東北地方太平洋沖地震の発生に伴って,東北地方を中心とする地殻応力場は劇的に変化し,内陸地域でも地震が多発するようになった.地震調査研究推進本部は,午伏寺断層・阿寺断層帯・立川断層帯・三浦半島断層群と共に双葉断層の地震発生確率が高まったとして,早急な調査が必要であると評価している.本調査の対象地域は,双葉断層と長町-利府断層に挟まれた仙台平野南部であり,これまでの調査では,活断層は認定されていない地域である.<br>本研究では,まず仙台平野南部の空中写真および1 m DEM および 2 m DEMから作成される立体地形図において,阿武隈山地北部と仙台平野を限る地形境界から東に約2 kmに位置する旧河道の自然堤防を南北方向切る活断層が示唆された.そこで,仙台平野南部における地下構造を明らかにするために,2013年1~2月にかけて浅層反射法地震探査を実施した (図).探査測線は,宮城県亘理郡亘理町竹ノ花から逢隈神宮寺を経て,亘理大橋西詰付近に至る東西約5.3 kmである.発震点・受信点間隔は共に10 mとし,震源にはEnviro vibを用いた.さらに2013年6~7月には,反射法地震探査で得られた地下構造のイメージングを検証するために,反射法地震探査測線を含むように200 m間隔を標準として,LaCoste & Romberg社製D型重力計を用い相対重力測定を実施した.得られた重力値からブーゲ重力異常値を算出し,2次元タルワニ法を使って密度構造解析を行った.<br>これらの物理探査の結果から,仙台平野南部の地下には,伏在活断層が存在し,地下では先第三系の基盤を大きく変形させている.さらにその上位に堆積する中新統から更新統の地質も変位させていると解釈できる.阿武隈川と名取川の間の愛島丘陵の東麓の撓曲崖や広瀬川以北の仙台平野下に推定されている伏在断層(苦竹断層)との関係については,今後検討・精査が必要である.<br>本調査では,阿部春建設株式会社,亘理町役場,宮城県土木事務所の方々に多くのご協力を頂きました.また東北大学大学院理学研究科の修士1年,同大学理学部4年の諸君にも探査に協力いただいた.産総研の高橋美江さんには重力探査におけるGPS解析を行っていただいた.ここに記し感謝します.<br>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680673149952
  • NII論文ID
    130005473851
  • DOI
    10.14866/ajg.2014s.0_100301
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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