アリューシャン列島西中部,アダック島の完新世テフラ層序

書誌事項

タイトル別名
  • Stratigraphy of Holocene Tephras on Adak Island in the West-Central Aleutian Islands, Alaska

説明

アダック島は,アラスカ州のアリューシャン列島中央部に位置し,完新世のテフラ・土壌層に覆われている(図1).テフラ層は,アリュート遺跡の考古編年など,年代学的枠組みを構築するうえで役に立つ.同島北部のモフェット山とアダグダック山は,完新世に噴火した証拠がこれまでなかった.Black (1976) は,アダック島のテフラ層序と14C年代を報告し,顕著な3枚のテフラ(下位より,メイン,インターメディエイト,サンドイッチ)が西隣のカナガ島から噴出したと考えた.一方,Waythomas et al. (2001) は,カナガ島でのテフラ層序と14C年代から,これらがカナガ島から噴出した可能性を否定し,モフェット山が給源である可能性を指摘した.しかし,これらの研究は,テフラ層の厚さや粒径分布を検討していなかった.演者らは,テフラの給源決定と年代学的枠組みを再検討するため,現地調査,火山ガラスの主成分化学組成および14C年代測定を行った.上記の3枚のテフラ層は,北部に行くにしたがい厚さや粒径が増す傾向が認められる.特にインターメディエイトとサンドイッチは,新鮮な岩片を含み,アダグダック山北部の溶岩ドームないし火口縁の一部か,近接した海底の未知の火口である可能性が高い.インターメディエイトとサンドイッチの噴火年代は,7.2 cal kBPと4.7 cal kBPと考えられた.さらにその上位の YBO と40年テフラは,3.6 cal kBPと0.4 cal kBPと考えられる.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680673406592
  • NII論文ID
    130005457047
  • DOI
    10.14866/ajg.2012s.0_100139
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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