日本各地の等高線を描画する「Web等高線メーカー」サイトの開発

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タイトル別名
  • Development of a web site to draw contour lines of Japan

抄録

1.はじめに  任意の標高の等高線をPC上で表示するには,DEM(Digital Elevation Model)データをもとにGIS等を用いる方法が多いと思われるが,データの取得からGISの操作まで,専門的知識が必要で一般には難しかった。広く普及している杉本智彦氏による「カシミール3D」や,筆者作成の「MANDARA」においても等高線表示機能が含まれているが,単に等高線を見たいだけの場合には過剰性能である。そこで,Webブラウザを用いて簡便に日本の任意の地域の等値線を任意の標高間隔で取得し,Googleマップ上に表示したり,KMLに出力したりすることができるWebサイト「Web等高線メーカー」を開発し,2014年4月に公開した(http://ktgis.net/lab/etc/webcontour/)。 2.システム構成  図1はシステムの構成を示している。地図表示システムとしてGoogle Maps APIを使用し,データとして国土地理院の「標高タイル」を使用する。一般的なタイルマップが地図や段彩図等の画像ファイルを配信するのに対し,この標高タイルではズームレベルに応じた256×256個のカンマ区切りの標高値が入ったテキストファイルが配信される点に特徴がある。これにより,日本国内についてスケールに応じた任意の場所の標高データ(元データは基盤地図情報10mメッシュ標高)をインターネット経由で動的に取得できるようになった。自サーバにはWebサイトのデザインを示すHtmlファイル,地図や等高線データを取得・表示のためのJavaScriptプログラムが置かれており,ユーザPCのWebブラウザでHtmlファイルを指定し,地図と等高線を表示する。 3.プログラムと機能  作成したJavaScriptプログラムでのデータ処理は次のようになる。まず,Google Maps APIを用いて取得したい範囲の地図を表示し,等高線取得間隔を指定する。次に,表示されているGoogleマップの領域について,国土地理院の標高タイルを取得して必要な範囲の標高メッシュデータを抽出し,そこから等高線をベクトルデータとして取得する。等高線の取得に際しては,筆者開発の「MANDARA」の等高線アルゴリズムを用いている。作成した等高線は,Googleマップ上に表示されるほか,HTML5を用いた表示,さらにKML形式で出力できる。  図2は操作画面を示しており,等高線を取得してGoogleマップ上に表示した状態である。等高線には通常の等高線と強調する等高線で別々に設定でき,それぞれ取得間隔と線種を指定できる。「等高線のみ表示」ボタンでは,HTML5のCanvas機能を用いて等高線のみを別のブラウザ画面に表示する。 4.活用方法  本システムは,ほとんどのWebブラウザに対応しているが,データ処理量が多いため,スマートフォンなどでは表示されないことがある。作成した等高線の活用方法については,地理教育での等高線学習や地形模型作成などでの活用,KML形式で出力後,Google Earth等での活用などが考えられる。<br>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680673592320
  • NII論文ID
    130005481631
  • DOI
    10.14866/ajg.2015s.0_100007
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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