シカの食害環境下にあるナラ枯れ被害林分の植生パターン:京都三山を事例に

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タイトル別名
  • Vegetation pattern of Quercus forests affected by oak wilt disease and deer browsing in Kyoto

抄録

本研究は,シカの食害が拡大している京都三山のナラ枯れ被害林分の植生を調査し,立地環境との関係を把握することで,シカの食害環境下にあるナラ枯れ被害林分の植生パターンを理解することを目的とした。京都三山の面積の80%を網羅する29通りの立地環境(堆積様式、表層地質、凹凸区分、斜面傾斜、表層土粒径の5つの組合せ)に10m×10mプロットを合計60地点設置し,毎木調査を実施した。いずれのプロットもシカの食害による植生の衰退程度SDR(藤木,2011)はD2-D4で,シカの食害の影響を受けていた。毎木調査結果をもとに植生を分類したところ,上層(高木・亜高木層)はコナラ,アベマキ,アカマツおよび上層を欠くタイプが,低木層はコバノミツバツツジ,アラカシ,ヒサカキ,ヤブツバキなど5つのタイプが見られた。上層のコナラ林やアベマキ林は凹部に分布する傾向が見られたが,低木層の植生タイプと立地環境との関係は明確ではなかった。低木層の分布を規定する要因について更に解析する必要がある。また,今後の植生回復の可能性を把握するために,実生の樹種や個体数と立地環境およびシカの食害の程度との関係を把握する必要がある。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680682139776
  • NII論文ID
    130005166756
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_548
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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