ニホンジカによる植生衰退が土壌微生物群集の機能的多様性に及ぼす影響

DOI
  • 平尾 聡秀
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林秩父演習林
  • 藤井 正典
    環境科学技術研究所環境影響研究部
  • 山田 利博
    東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林秩父演習林

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of vegetation decline by deer browsing on functional diversity of soil microbes

抄録

近年、各地の森林でニホンジカの密度が増加し、その植食圧によって植生が急速に衰退しつつある。植生の衰退は、地下部へ供給されるリターの量・質の変化や、植物との直接的な相互作用の変化を介して、土壌微生物群集に大きな影響を及ぼすと考えられる。土壌微生物群集は、森林生態系の物質循環を規定する主要な要素であり、ニホンジカによる植生衰退が土壌微生物群集の機能に及ぼす影響を明らかにすることは、生態系保全の観点からも重要である。本研究では、東京大学秩父演習林のケヤキ林に設置された植生保護柵の内外にシカ排除区と対照区を設定し、植生と土壌微生物群集の関係を検証した。2014年12月と2015年7月に上層木と下層植生の調査を行うとともに、各調査区6ヶ所から深度別に土壌を採取し、真正細菌16S rRNA遺伝子V4領域を対象としたアンプリコン解析を行った。得られた塩基配列をデータベースと照合し、真正細菌の多様性を決定した。また、分子系統樹に基づいて、各分類群の機能プロファイリングを行い、土壌微生物群集の機能的多様性を推定した。本講演では、これらのデータに基づいて、植生衰退が土壌微生物群集の機能的多様性に及ぼす影響を議論する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680682151040
  • NII論文ID
    130005166807
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_561
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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