北海道東部の泥炭湿地林における樹幹と土壌からのメタン放出量の変動

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タイトル別名
  • Variations in methane emission retes from tree stems and soil in a forested peatland of eastern Hokkaido

抄録

北海道東部の濤沸湖に隣接する泥炭湿地林内の調査プロット(15m×30m)において、ハンノキ(7個体:DBH 15~36cm)とヤチダモ(3個体:DBH 9~29cm)の樹幹表面(地上約15cm高)および地表面(10か所)でのメタンフラックスを2015年5、7、9、11月にステンレス製チャンバーを用いた非通気型密閉法で測定した。樹幹からのメタン放出速度は明瞭な季節変動を示し、両樹種とも9月に最も高かった。メタン放出速度の樹種間差は明瞭ではなく、個体サイズとの関係もみられなかった。一方、土壌からのメタン放出速度は7月と9月に高い傾向を示したが、空間的な変動がきわめて大きく、チャンバー間で102~103倍程度の違いがみられた。5~9月の地表面フラックスの測定時には、土壌中のメタンの気泡による放出とみられるチャンバー内メタン濃度の不連続的な上昇がしばしば観測され、とくに7月に多くみられた。調査プロット内の3地点(各地点の深さ25cmと50cm)から採取した地下水の溶存メタン濃度は9~11月に最も高くなったが、採取地点による変動が大きく、溶存メタン濃度に空間的な傾度が存在することが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680682416640
  • NII論文ID
    130005167130
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_628
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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