マツタケ胞子の土壌内での動態の推定

DOI
  • 藤田 徹
    京都府農林水産技術センター農林センター森林技術センター

書誌事項

タイトル別名
  • Deduce movement of T.matsutake's spore in soil

抄録

胞子播種によるマツタケのシロ形成に必要な情報を得るため、マツ林のB層を露出させた箇所で、「①胞子の土壌内での動態を推定するため、染色したマツタケ胞子を散布し、2週間後に地中の胞子数を土深別に調査」「②胞子が秋に発芽しているか調べるため、マツタケのカサを直接地面に伏せて大量の胞子を播種し、2週間後に発芽胞子が観察されるか調査」の二つの試験を行った。<br> その結果、試験①では、胞子の観察数は地表付近ほど多く、地表下1~2cmでは0~1cmの約1/5になる等、土深が深くなるにつれ著しく減少した。②の試験でも同じ傾向が見られ、地面に落下したマツタケの胞子は地表付近に留まるものが多いと推測された。これは「マツタケのシロは地表付近の浅い場所で形成される」等の従来の知見と合致し、胞子播種によるシロ形成のためには地表付近の環境を整えることが重要と考えられた。<br> 試験②では、胞子播種箇所の土壌から観察されたマツタケと同型の胞子数は対照区に比して有意に多く、一部は播種した胞子であると判断された。しかし、発芽胞子は播種箇所のみ観察されたが、対照区の胞子観察数より少なく、播種したマツタケ胞子かは特定できなかった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680682677376
  • NII論文ID
    130005048445
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.322.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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