木質バイオマス発電の可能性と課題
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- 久保山 裕史
- 独)森林総合研究所
書誌事項
- タイトル別名
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- Possibilities and problems of electricity supply from wood biomass
説明
欧州では木質バイオマスエネルギーの80%以上が熱利用されている。筆者は、熱供給設備は中小規模でも85%以上と熱効率が高い上に、発電施設と比べて安価であり、経済性が高いためであることを指摘してきた。昨年7月に施行された固定価格買取制度の下で、林地残材等を燃料とするバイオマス電力の買取価格が32円/kWhに設定された結果、高い燃料価格を提示できるようになったため、各地で木質バイオマス発電の検討が進められつつあるところである。ただし、①20年の買い取り期間後も高い買取価格が維持されない場合、燃料買い取り価格を引き下げるか事業を中止するかを迫られる、②買い取り期間内であっても、発電プラント間の競合や、政府によるインフレ政策等によって燃料価格が高騰すれば採算が取れなくなる可能性がある、③化石燃料の輸入価格が上昇すると、熱利用の優位性(燃料購入価格)が高まるといった問題点が指摘できる。こうした問題を回避軽減するためには、燃料供給の低コスト化を進めるとともに、欧州の木質バイオマス発電の64%がそうであるように、熱電併給とし、エネルギーの有効活用を図るべきである。
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 124 (0), 233-, 2013
一般社団法人日本森林学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680682888064
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- NII論文ID
- 130005048346
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可