スダジイへの殺菌剤樹幹注入によるカシノナガキクイムシ被害防止効果

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タイトル別名
  • Preventive effect to Platypus quercivorus by microbicide trunk injection in Castanopsis cuspidata var. sieboldii

抄録

2010年、伊豆諸島の三宅島、御蔵島、八丈島でスダジイが集団枯死する被害が発生し、3島それぞれから、ナラ枯れ病原菌媒介者であるカシノナガキクイムシの加害が確認された。そのため伊豆諸島スダジイ被害対策として、2011年から2年間、ナラ類で適用可能な方法である殺菌剤の樹幹注入を行い、スダジイにおける枯死予防効果や材内におけるカシノナガキクイムシの繁殖等について調査した。その結果、3島において2011年には殺菌剤樹幹注入をおこなったスダジイに枯死は全く発生しなかったのに対し、三宅島と八丈島の無注入木で枯死が発生した。被害木の辺材変色域からはナラ菌 が 100 %分離され、心材や健全な辺材からは分離されなかった。被害木断面の材変色率は、薬剤注入した方が無注入木よりも低かった。2012年は3島全体で枯死の発生がほとんど無く、殺菌剤注入区・対照区ともに枯死は発生しなかったが、2011年に穿入被害を受けたスダジイからのカシノナガキクイムシ発生は、薬剤注入した方が低い傾向にあった。これらの結果より、ナラ類で登録されているナラ枯れ予防樹幹注入剤は、スダジイの枯死予防にも効果があると考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680683080320
  • NII論文ID
    130005048697
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.550.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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