絶滅危惧種トガサワラと共生するショウロ属菌のマイクロサテライトマーカー

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タイトル別名
  • Microsatellite markers of <i>Rhizopogon togasawariana</i>, specifically colonizing endangered <i>Pseudotsuga japonica</i>

抄録

トガサワラ (Pseudotsuga japonica) は絶滅危惧Ⅱ類 (VU) に指定されている常緑針葉樹で、日本での分布域が紀伊半島と四国東部に限定されている。Rhizopogon togasawarianaはトガサワラと特異的に共生する菌根菌で、残存林分の埋土胞子中で優占し、成長促進効果も顕著であることから、トガサワラの更新に重要な働きをしていると考えられる。一方、R. togasawarianaは動物散布種のため地理的隔離の影響を受けやすいと考えられ、生息地の分断化が遺伝的多様性や遺伝子流動に大きく影響している可能性がある。そこで本研究ではR. togasawariana集団の遺伝構造を調査するためにSSR (マイクロサテライト) マーカーをDual-Suppression-PCR法を用いて開発した。また、紀伊山地の3林分(三之公、大又、川又観音)から採取した土壌でバイオアッセイを行い、苗に形成されたR. togasawarianaの菌根を用いてSSRマーカーの多型性を調べた。その結果、合計29の新規SSRマーカーの開発に成功し、そのうち12マーカーで多型が確認された。また、北米の近縁種で報告されている17のSSRマーカーについても同様の解析を行った結果、6マーカーで多型が確認された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680683410944
  • NII論文ID
    130005166780
  • DOI
    10.11519/jfsc.127.0_375
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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