森林土壌における窒素無機化の律速要因の解明

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タイトル別名
  • Unravelling rate-limiting factors for nitrogen mineralization in forest soils

抄録

土壌中の窒素(N)無機化は物質循環・生産を担う重要なプロセスである。N無機化には脱重合、アミノ酸の吸収、アンモニア化成が含まれる。耕地では脱重合がN無機化を律速するが、森林土壌には異なる点も多いことから、律速要因を解析した。<br><br>カゼイン、アミノ酸混合溶液、アルギニン溶液(140 mg N kg-1 soil)を岩手、京都、タイ7地点の表層土壌(0-10 cm)に添加し、60%圃場容水量・25℃条件で培養した。カゼイン添加土壌のK2SO4抽出N、アルギニン添加土壌の KCl抽出無機態Nの純増加速度を脱重合能、アンモニア化成能の指標とした。14Cアミノ酸分解試験では14Cアミノ酸濃度減少速度を測定した。<br><br>脱重合能は強酸性土壌で高く、糸状菌活性も高かった。アミノ酸の消費速度はいずれの土壌でも高かった。アンモニア化成能は土壌C/N比が高いほど低下した。C/N比の低い土壌ではアンモニア化成が高く脱重合がN無機化を律速するが、C/N比の高い土壌では脱重合能がアンモニア化成能を上回った。森林土壌のN無機化速度には低pHでの脱重合の促進、高いC/N比によるアンモニア化成の抑制が影響することが示された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680683648128
  • NII論文ID
    130005048983
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.808.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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