スコリア堆積地における緑化の試み

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タイトル別名
  • Attempt of greening on scoria piling up ground

抄録

300年前の富士山の噴火によってスコリア(岩滓)が厚く(深さで10m)堆積した静岡県小山町の森林では,2010年の台風9号の異常な集中豪雨によって,森林内に堆積しているスコリア層に介在する粘性を持った粒子の細かい火山灰層が流亡して急激に粘着力が低下した。この粘着力の低下によって勾配の緩急に関係無く,スコリアの流出が始まり,人家,国道,ゴルフ場が埋まるなどの被害が出ている。被害区域については,須走地区の森林周辺の1千ヘクタールに及んでおり,町では緊急雇用による木柵や土嚢の設置などの流出対策を試験的に講じている。今回の事例では,栄養分が少なく,養分を保持する機能が低いことによって植物が生育し難い特徴を持ったスコリアの化学性を分析評価して対策手法を検討した。また,現地のスコリアを利用して有機物資材と種子を混合した客土を作り,緊急雇用によって土壌改良を行って急速緑化を推進することで,不安定化した森林のスコリア表面の固定と栄養添加による緑化促進を図り,降雨による移動を抑制した内容について報告する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680684040448
  • NII論文ID
    130005048245
  • DOI
    10.11519/jfsc.124.0.142.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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