天然生スギ林の林分構造と更新様式の比較

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タイトル別名
  • Difference of stand structures and regeneration regimes of natural <i>Cryptomeria japonica</i> forests

抄録

秋田県北秋田市の佐渡スギ群落保護林ではスギが実生から大径木まで腐朽した伐根上に集中する傾向が顕著である。この森林の林分構造や更新様式の特徴を他の天然スギ林との公表されている調査データとの比較により明らかにする。<br> 佐渡スギ群落保護林ではスギの胸高断面積、胸高断面積比は2012年でそれぞれ45m2ha-1、67%であった。同じ秋田県の水沢、上大内沢両天然スギ林ではスギの胸高断面積合計は100m2ha-1を越え、胸高断面積比は98%に達する。一方、七座や福島県の本名スギ林では胸高断面積比は60-70%で広葉樹との混交林化が進んでいた。秋田県では過去に広葉樹が選択的に伐採され、スギの純林化が進んだ。本名スギ林ではブナがほとんど伐採されずに残されたことで、佐渡スギ林ではスギの更新立地が伐根にほぼ限定され、ブナが地表面で生育でき、混交林化が進んだと考えられる。倒木上、伐根上でのスギの更新が見られる天然スギ林としては屋久島、魚梁瀬、立山といった林分があげられる。いずれも多雨か多雪で高標高という環境下にあり、木質基質上での更新には多くの水分供給が必要であると考えられた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680685366400
  • NII論文ID
    130005491040
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_500
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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