都市緑地における潜葉虫の寄生蜂相

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タイトル別名
  • A parasitoid assemblage of leafminers in urban green areas

抄録

<p> 縮小と孤立化が進む都市緑地において、どのような生物群集が形成され、それらがどのような生物間相互作用によって維持されているのかを明らかにすることは、島的な生態系における攪乱と修復の過程を考えていく上で重要な手掛かりとなる。本研究では、名古屋市内の面積の異なる都市孤立林二か所(名古屋大学構内林約14haと相生山緑地約123ha)において、植物と植食性昆虫(潜葉虫)、および天敵昆虫の代表的存在である寄生蜂の三者系に着目した。2016年4月から9月までの間の月一回程度、昆虫が潜入しているさまざまな種の葉をライン上を歩いて採取し、室内飼育して羽化した昆虫種の同定を行った。その結果、植物では名大林で29種、相生山で39種、潜葉虫では名大林で21種、相生山で28種、寄生蜂では名大林で11種、相生山で14種が記録された。また、このうち両調査地に共通していたのは、植物で14種、潜葉虫で12種、寄生蜂で7種であった。人の手が加わらず放置された名大林よりも、面積も大きく、公園整備による定期的な攪乱を受けている相生山の方が、より寄主―寄生関係は多様であり、相対的に多様性が高い群集が形成されていることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680685465856
  • NII論文ID
    130007020761
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_301
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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