都市化による森林の孤立がヤブツバキとヒサカキの葉内生菌群集に与える影響

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タイトル別名
  • Effects of forest isolation with urbanization on the endophytic fungal community in <i>Camellia japonica</i> and <i>Eurya japonia</i>

抄録

<p> 都市化による森林の分断・孤立が樹木の葉内生菌群集に与える影響を明らかにするために,都市中心部から山地まで広く生育しているヒサカキとヤブツバキの葉内生菌の種構成を調査した。森林の孤立・分断のない山地林の東京大学千葉演習林(千葉),約9haの孤立した都市近郊林の東京大学田無演習林(田無),都市中心部にあり約2haの孤立林と植樹帯からなる東京大学本郷キャンパス(本郷)を調査地として,2016年5月に,ヒサカキとヤブツバキの各5本から一年葉を12枚ずつ採取して内生菌を分離し,得られた菌株の菌種をrDNA-ITS領域のRFLP解析と塩基配列に基づき同定した。ヒサカキとヤブツバキの葉内生菌の菌種数とそれらの分離頻度の合計は,それぞれ千葉では27種(135%)27種(102%),田無では12種(108%)と20種(98%),本郷では11種(98%)と12種(62%)であり,都市化による孤立度合いが高いほど,種数,分離頻度合計ともに低くなる傾向がみられた。また,Shannon-Wienerの多様度指数にも同様の傾向が見られた。以上の結果から,都市化による森林の分断・孤立により,ヒサカキとヤブツバキの葉内生菌の種多様性が低下していると考えられた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680685507328
  • NII論文ID
    130007020785
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_318
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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