二世代目のヒノキ造林が土壌化学特性に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of second-generation Hinoki Cypress plantation on the soil chemical properties

抄録

ヒノキ人工林は、他樹種の人工林に比べて表層土壌が移動しやすいことや土壌が酸性化しやすいことが指摘されている。もしこれらの影響が本当であれば、植えられてから長い時間の経過しているヒノキ林においてその累積的な影響が現在の土壌に明確に見られるはずである。本研究ではこうした観点から高知県の急傾斜地において現在2世代目となっているヒノキ林(1世代目がスギ林の場合を含む)において土壌調査を行い、約50年前の土壌データと比べて表層土壌(0-20cm)の炭素量やpHなどの土壌化学特性にどのような変化があったかについて検討した。これら林分の1世代目(G1)と2世代目(G2)の土壌炭素量の差(G2-G1)は、1世代目がヒノキ林の場合で?16.0、?0.1、+20.0 tC/ha、スギ林の場合で+0.8、?14.9、?5.5、?0.9 tC/haであり、必ずしも変化(増減)の方向ははっきりしていなかった。また斜面傾斜度と土壌炭素量の増減量にはとくに関係は見られず、調査した範囲では明らかな表土流亡の兆候はなかったと思われた。一方、土壌pH(0-10cm、H2O、KCl)についてはこれら7つの林分においていずれも低下傾向にあり、これはヒノキという樹種のもつ特性の影響と考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680685706496
  • NII論文ID
    130005491115
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_589
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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