川俣町山木屋地区の里山景観の放射性環境動態とレメディエーションの試み

書誌事項

タイトル別名
  • Radioactive dynamics of the satoyama landscape and the experiment of its remediation in Yamakiya district, Kawamata town

説明

里山の環境回復を目指して、川俣町山木屋地区にて農家と共同で、2011年より景観レベルの放射性環境動態を調べてきた。その結果、放射線量は全体に減少していたが、大部分は物理的減衰に従っており、放射性物質の異所的移動は顕著でなかった。土層深層への放射性Csの浸透は、事故当初の地表のリター被覆状況によって主に異なっていたが、A0層が発達した落葉広葉樹林では2013年でも6割以上A0層に残存していたのに対し、伐開地や林内放牧地等の攪乱地では4~8割A層に浸透していた。2013年には、A0層除去処理や木質チップ敷き均し処理等の環境回復試験を丘陵地斜面に広がる落葉広葉樹林(全1500m2)で行い、放射性Csの循環量・流出量の測定を始めた。L層除去処理では1アールあたり400kgの除去に1人日、A0層全層含む厳密除去処理では同じく1200kgの除去に3.5人日の作業を要した。L層除去によって林床の放射能は2~5割、空間線量率は1~2割減少するとともに、樹体内や林内雨の放射性Cs濃度の低下も見られた。A0層厳密除去処理によって、林床の放射能は9割近く、空間線量率は5割減少したが、土砂流出が大幅に増大した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680685719296
  • NII論文ID
    130005474715
  • DOI
    10.11519/jfsc.125.0_772
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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