半世紀にわたる立山ルート沿線緑化の成果と今後の課題

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タイトル別名
  • Vegetation restoration along the Tateyama route, achievement of half a century and future tasks

抄録

<p>1971年に全線開通した立山黒部アルペンルートは、3,000m級の山岳を貫く観光ルートである。計画当初から、国立公園である立山の自然景観保全を求める声も強く、国による工事認可にも緑化は現地産植物で行うことが明記された。これを受けて1966年、立山ルート緑化研究委員会が発足し、沿線の植生復元について研究と現地指導を行うこととなった。緑化には成長の早い外来種を併用することが常識であった当時、亜高山地帯で採取した種子・苗条のみを用いるという困難な課題に委員たちは意欲的に取り組み、その結果、ミヤマハンノキやヒロハノコメススキなどが緑化材料に選ばれた。緑化施工後、半世紀近くが経過した箇所を2012年から2016年にかけて調査したところ、その多くはオオシラビソ稚樹を含むミヤマハンノキ林やチングルマ群落などに遷移しており、当初の目標はおおむね達成していると判断された。しかし、成長しすぎたミヤマハンノキ林が周辺環境に影響を及ぼしている例もあり、今後これらの施工地の植生をどのような植生へと誘導していくかが課題となっている。一方、植被回復の遅れている箇所では、再度の緑化に向けて、その原因を詳しく分析することが求められている。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680685786112
  • NII論文ID
    130007020918
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_202
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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