森林斜面における表土と放射性セシウムの 移動に伴う空間線量率分布の変化

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タイトル別名
  • Timeseries of ambient dose rate distribution resulted from detachment of surface soil and radiocesium on forest slope

抄録

森林域から下流域への将来的な放射性セシウムの流出やその影響を予測するためには,森林内での放射性セシウムの動態を明らかにする必要がある.本研究では,土壌表層での空間線量率の測定を継続的に実施することで,斜面上に成立した落葉広葉樹林での放射性セシウムの移動を検討した.調査地は福島県伊達市霊山町上小国川上流に位置する.林内に設置した約50 m×27 mのプロット内にほぼ等間隔で160点の測定点を設け,地表と地表から10 cmの空間線量率を2013年5月~2014年12月の間に5回測定した.プロット内外には複数の土砂トラップと定点撮影カメラを設置し,表土・リターの移動もモニタリングした.結果として,侵食を伴う顕著な土砂移動は生じなかったが,夏期・冬期ともに地形条件による局所的な表土・リターの移動が見られた.測点による空間線量率のばらつきや変化の差が大きいという結果はこのような移動形態に対応すると考えられる.斜面下部に位置するプロット全体での空間線量率の変化は自然減衰を考慮した逓減曲線に概ね従うが,やや大きな値を示し,顕著な土砂移動が無い場合にも,森林斜面における放射性セシウムの移動が生じる可能性があることが示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680686192384
  • NII論文ID
    130005490792
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_387
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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