栃木県北部の落葉広葉樹林における樹上葉および落葉の放射性セシウムの季節変化

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タイトル別名
  • Seasonal changes of radiocesium contamination of living and fallen leaves of broad-leaved forests in Northern Tochigi

抄録

福島原発事故後、里山林の林床落葉を利用した腐葉土に暫定許容値(400 Bq/kg)が設定され現在に至っている。汚染林産物等復旧のための放射性セシウムモニタリングを栃木県北部の落葉広葉樹林(高原山、関谷)で2011年5月以降開始した。当初2年間(2011~2012)で落葉中の放射性セシウム濃度は大きく減少したが、夏季(7月~9月)に一時的な濃度増加が観測された。そこで林床の落葉・土壌の放射性セシウム濃度と樹上の生葉・枝のそれとの対応関係を明らかにし放射性セシウムの樹体から葉・林床への移行を検討するために、これまでの落葉、土壌に加えて樹上の生葉および枝の放射性セシウム濃度を栃木県北部の標高・樹種の異なる2ヶ所の落葉広葉樹林[塩谷町高原山(900m)と那須塩原市関谷(400m)]で測定した。樹上のブナ類ならびにコナラの旧年枝(事故時に存在)の濃度は生葉・枝(当年枝、二年枝)のそれよりも高かった。また濃度の季節変化では落葉で見られた夏季の増加傾向は見られなかった。したがって夏季の落葉の放射性セシウム濃度の増加は樹上の生葉のそれと連動せず、林内雨による湿性沈着などとの関連性が示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680686204800
  • NII論文ID
    130005490932
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_396
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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