森林林床のリター層中の放射性セシウムに対する10%フッ酸処理の影響(予報)

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タイトル別名
  • Effects of the treatment with 10% hydrofluoric acid solution on the radioceasiums in the needle and leaf litters

抄録

福島第一原発事故により森林に付加された放射性Csは、事故直後には樹冠部の生葉やリター層に高い割合で分布した。筆者らは、先行研究で、2012年7月に福島県大玉村前ヶ岳国有林にて採取したリターに対し有機物分画によって有機物付着態Csの存在形態を検討した結果。その結果、化学的に安定な構造を持つ酸不溶態有機物とともに分画された酸不溶Cs量がリターにおける全Cs量の5~9割を占めた。一般に、Csと有機物の相互作用に関して、解離したカルボキシ基とCsの間で弱い会合体を作ることは考えられるものの、両者の間で強い吸着・結合作用が存在するとは考えにくい。一方で、リターの表面には風成塵や乾性降下物などの微量な無機鉱物が付着している。そのため、それらの無機鉱物がリター層におけるCs保持に働き、リター層における放射性Cs量の高い分布割合に寄与している可能性がある。本研究では、福島県大玉村前ヶ岳国有林にて採取したリター試料から分画した酸不溶Csに対して、10%フッ酸処理を行い、無機鉱物を溶出させることによって、酸不溶Csの存在量がどのように変化したのか検討したので、本大会ではその結果を報告する予定である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680686206208
  • NII論文ID
    130005490934
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_397
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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