2倍体オニヤブソテツの交配様式の進化について

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タイトル別名
  • Evolution of mating system in diploid <i>Cyrtomium falcatum</i>

抄録

<p>同型胞子シダ植物の2倍体オニヤブソテツ(Cyrtomium falcatum)は国内に、他殖を行う南方系統と、集団ごとに交配様式が分化している北方系統の2グループが存在する。本研究ではRAD-seqを用いたこれらグループの交配様式の分化パターンの解析を通してシダ植物における交配様式の進化について明らかにした。中立と仮定できる2299SNP遺伝子座をもとに、祖先型と考えられる南方型に対する北方系統内の各性表現型(自殖性の強いM型、自殖性の低いS型)の関係を、NetStruct解析および集団系統樹を用いて評価した。その結果、M型の集団が北方系統の集団の基部に位置し、S型は派生的な枝の一つに位置することが明らかになった。また、北方系統内のS型は南方系統に比べると遺伝的多様性が低く、北方系統内のM型集団と近い値となった。これらのことから、北方系統集団では過去に一度、M型という自殖に適した性表現型に進化し、その後、一部の集団では、他殖に適したS型へもう一度、性表現が進化したことが示唆された。性表現型は、雄性器と雌性器の成熟する時期によって決定されると考えられるが、この成熟時期の制御は比較的短期間で相互に変化し得るものであることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680686871296
  • NII論文ID
    130007021542
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_510
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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