シイタケ害虫ナガマドキノコバエ類の野外生息環境と地理的分布

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タイトル別名
  • Habitats and biogeography of <i>Neoempheria ferruginea</i> species group infesting shiitake mushrooms

抄録

<p>ナガマドキノコバエ類は主に菌床シイタケ栽培施設に発生する食用キノコ害虫を含む複数種で構成されるキノコバエ類である。これらは、かつて単一種 Neoempheria ferruginea (Brunnetti) として同定されていたが、近年の分類学的再検討の結果、N. ferruginea とは異なる害虫種 3 種とそれら以外の 5 種に分類された。これら 8 種は形態学的に、サハリンナガマドキノコバエ N. sakhalinensis Zaitzevを含む非害虫種 3 種からなるグループと、害虫種 3 種と非害虫種 2 種からなるグループに分けられる。これら 8 種のいずれも野外生息環境や国外での地理的分布がほとんど知られていなかったが、近年の国内外での野外調査および標本調査の結果、次の三点が明らかになった:1) 害虫種フタマタナガマドキノコバエ N. bifurcata Sueyoshi は本邦特産種である可能性が高く、成虫は渓流近くの林床植生に生息しており、幼虫は林床に落下した腐朽木の枝の下面で蛹化する;2) 非害虫種サハリンナガマドキノコバエは本邦・韓国・ロシアに分布し、ササ類が優占する森林林床植生に生息する;3) 上記 2 種以外の 6 種のうち、3 種は中国に分布する既知種と同種である可能性が高い。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680686974720
  • NII論文ID
    130007021595
  • DOI
    10.11519/jfsc.128.0_164
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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