江戸時代以降の歴史資料にみる桃洞・佐渡のスギ原生林

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タイトル別名
  • Description of Todo and Sado ceder virgin forests, Akita Prefecture, in historical materials since the Edo period

抄録

秋田県中央部の森吉山南東部の桃洞地区と佐渡地区に分布するスギ天然林は,1975年に「桃洞・佐渡のスギ原生林」として国の天然記念物に指定された。このうち,佐渡スギ天然林の発生時期は伐根の年輪解析により17世紀後半から18世紀前半頃と推定されている。一方,桃洞スギ天然林は18世紀頃に伐採されたという伝承が伝わっている。このように,2地域のスギ天然林が更新した時期は比較的類似しているようである。ただし,秋田藩の林政・林業記録には桃洞・佐渡スギの取り扱いに関しては記載が確認されていない。一方,江戸時代のこの地域は,南部藩との藩境に近く,鉱山が多く分布していたことから,論争となることが多かった。さらに,秋田藩は正保期,元禄期に国絵図を作成した際,この地域の藩境を誤記したため,享保期に絵図の改訂に必要な現地調査を行い,絵図や文書資料を数多く作成した。本発表では,秋田藩の林政,林業記録に加えて,国絵図や藩境に関連する歴史資料の調査を行い,桃洞・佐渡スギ天然林の描写や記述に注目し,それらの歴史資料が作成された当時の人々の桃洞・佐渡スギ天然林に対する認識について検討した結果を報告する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680687189120
  • NII論文ID
    130005491138
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_639
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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