郷土種を用いた緑化における植栽木の4年間の成長と生残

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タイトル別名
  • Growth and survival of seedlings planted for reforestation with native species

抄録

鳥取県立むきばんだ史跡公園では,弥生時代の集落の野外展示から事務所建物と駐車場を隠し,野外展示にいたる園路を郷土種からなる森林内の小道とすることを目的として,公園内と周辺で採取した種子から育てた苗木が植栽された。面積1100㎡に,常緑広葉樹,スダジイ,シラカシ,アカガシ,タブノキ,ヤブニッケイ,シロダモ,ヤブツバキ,落葉広葉樹,コナラ,クリ,ヤマザクラ,イヌシデ,エゴノキ,クロモジ,13種598本が2009年3月に植栽された。生残数は植栽1年後から3年後に27本,41本,26本減少した。4年後では3本減少しただけでほぼ定着した。常緑樹の減少数はどの期間でも落葉樹の2から3倍多く,4年後の生残率は落葉樹90%に対して常緑樹77%であった。常緑樹の種ごとの生残率は91%から30%の範囲にあった。生残数を確保するためには落葉広葉樹は有効と考えられた。植栽2年後には積雪により植栽木の44%に幹折れが生じたが,この被害は死亡要因とはならず,萌芽する性質のある郷土種を用いた利点といえた。低木種で株立ちとなるクロモジを除くと,幹の肥大成長,伸長成長ともに,落葉広葉樹のほうが常緑広葉樹よりも大きかった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680687518080
  • NII論文ID
    130005474517
  • DOI
    10.11519/jfsc.125.0_561
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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