ウダイカンバの定着を目的とした更新補助作業の検討~北海道北部の天然生林における事例~

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Natural regeneration practices to enhance establishment of <i>Betula maximowicziana</i> in northern Hokkaido

抄録

北海道の森林では重機を用いた更新補助作業(掻き起こし)が広く行われてきた。施工後に多く成林するカンバ類の中で、ウダイカンバはとくに経済的価値が高く、持続的な資源管理が求められている。ウダイカンバは埋土種子を形成するため、表土を多く残す作業が有効と考えられたことから、本研究では、表土の残し方を変えた複数の施工地(1-2年および4-5年生、北大天塩研究林)において実生の発生および定着に及ぼす要因を明らかにした。その結果、表土を多く残す更新補助作業がウダイカンバの発生・定着に及ぼす得失は、土壌(とりわけ含水率)や周囲植生の条件で変化することが明らかになった。埋土種子起源のウダイカンバ発生数には、表土を多く残した直接の効果は認められなかった。一方、成長には顕著な改善が見られたが、表土を多く残すことは他の植生の発達にもつながり、それらが強い競争環境をもたらすことが見積もられた。結果をもとに、いくつかの初期条件を仮定した動態シミュレーションを行い、作業コストを含めた費用対効果の観点から代替的な作業が有利となる条件を整理した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680687697024
  • NII論文ID
    130005491207
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_740
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ