クロマツ海岸林におけるオオタカとノスリの繁殖環境の選択に影響する要因

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タイトル別名
  • Environmental factors affect selection of the nest site of <i>Accipiter gentilis</i> and <i>Buteo japonicas</i>

抄録

クロマツ海岸林は防災を目的に造られた人工林だが、近年では多くの機能を備えることが求められている。そこで、多様な生物の生息地としての海岸林を評価するために、猛禽類の繁殖環境を明らかにすることを目的とした。調査は山形県の庄内砂丘約7,500ha上に成立しているクロマツ海岸林約2,500ha(それ以外に畑や住宅地などがある)で行い、2012年と2013年に繁殖を行ったペア(延べオオタカ7ペア、ノスリ11ペア)を対象とした。営巣木を中心とする営巣林と、海岸林全域を林分構造によって11の林型に区分して各林型に設置した対照区で、それぞれ毎木調査を行った。オオタカとノスリ両種の間に大きな差はなかった。そこで両種をまとめて解析を行った。営巣林の中でも営巣木は樹高が高く、直径が太い木を選択していた。林分構造ごとの比較では、営巣林は亜高木層の葉群密度が低い林型や、林床にヤダケが密生する人の侵入が困難な林分を選択していた。GISによるランダム点との比較では、営巣木は海岸林の中でも林縁から遠い場所にあり、巣から半径500mと1kmの範囲では草地や水田などの採餌地となる場所の面積が広い地域が選択されていた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680687764224
  • NII論文ID
    130005474367
  • DOI
    10.11519/jfsc.125.0_373
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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