人工降雨装置を用いた土壌侵食流出現象の実験的検討

DOI
  • 新谷 惠
    東京工業大学大学院 総合理工学研究科
  • 小俣 哲平
    東京工業大学大学院 総合理工学研究科
  • 木内 豪
    東京工業大学大学院 総合理工学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Experimental evaluation of a soil erosion phenomenon by using rainfall simulator

抄録

福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性セシウムは、降雨時に土粒子や有機物等とともに河川等の水系に移行する。セシウムは粒径の小さい粘土質粒子と強固に結合する傾向があることから、降雨に伴って環境中を移動する土粒子の挙動をよく理解する必要があるため、本研究では、人工降雨装置を用いた室内土壌侵食流出実験を行い、土粒子の粒径に着目した流出量の定量化を行った。実験で得られた流出土砂量と流出土砂粒子の粒度分布を用いて、既存の土壌侵食モデルでの検討を行った。土壌サンプルが同じであれば、湛水深が大きくなると流出土砂量が減少する傾向がみられ、湛水により土壌表面への雨滴の衝撃力が緩和される現象がみられたが、土壌サンプルが異なると湛水深だけの影響ではうまく侵食現象を表現できず、土壌の特性を考慮する必要があった。今後は、土壌特性や粒径区分を考慮できる土壌侵食モデルを構築していく必要がある。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680688085120
  • NII論文ID
    130005491957
  • DOI
    10.11520/jshwr.28.0_100087
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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