台湾・高雄市の越境結婚におけるアジア人妻の主体性
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- hsu yuen
- St.Andrew's University
Bibliographic Information
- Other Title
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- 移住労働者から結婚移民となったタイ人女性とベトナム人女性の事例から
Abstract
近年東南アジア系女性結婚移民や移住労働者の大量の流入により、台湾は世界的にも、「国際移動の女性化」の加速化が顕著な地域とされている。こうした越境結婚では、持参財の欠如による婚資不均衡という背景で、結婚移民が「買ってきた嫁」という汚名が着せられ、貧困や家父長制の「犠牲者」と見なされる場合が多い。本稿は移住労働を契機として、越境結婚を選択した女性たちの主体性を考察することを目的としている。本稿の二人とも「売買婚」の被害者ではなく、経済格差による移動を強いられた「犠牲者」でもなく、人生の逆転を果たすために、自ら移住労働を選択し、越境結婚を生存戦略として選択した。自ら築いたネットワークを活用しながら、ホスト社会に直面した諸困難を克服してきた能動的な行為者と解釈できる。そして、都市部の越境結婚は農村部の越境結婚よりも生存戦略が功を奏する可能性が大きく、より主体性を発揮しやすい環境に恵まれている。
Journal
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- Abstracts of the Annual Meeting of the Japanese Society of Cultural Anthropology
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Abstracts of the Annual Meeting of the Japanese Society of Cultural Anthropology 2016 (0), C03-, 2016
THE JAPANESE SOCIETY OF CULTURAL ANTHROPOLOGY
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680688358400
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- NII Article ID
- 130005148276
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- ISSN
- 21897964
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed