陸面過程モデルによる白山山域における積雪水量の推定

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タイトル別名
  • Estimation of snow water equivalent around the Hakusan mountain by land surface model

抄録

陸面過程モデルを白山山域に適用し、地上気象観測情報を用いて水・熱収支解析を実施し、過去数年間(2006年~2012年)の積雪水量の時空間分布の再現を試みる。手取川ダムの日流入量データを用いて水収支の検証をするとともに、解析を通じて明らかになった問題点について報告する。<br>モデルで算定された手取川ダム集水域からの流出量とダム日流入量観測値を比較したところ、2011年については概ね良好な算定結果が得られているが、2006年についてはモデルが大幅に過少評価となっている。2006年から2012年までの月別の時系列からもわかる通り、観測では2006年は2011年と同等に大きな流量となっているが、モデル算定値は積雪水量、流出量ともに過少評価となっている。これは入力に用いた解析雨量が少なすぎることが原因である。降水量の年積算値で比較しても2009年以前と2010年以降では大きな差が見られる。解析雨量の作成時に用いる地上雨量計の数が激増したことが原因であると考えられる。解析雨量の処理手法が向上していくことは誠に結構なことではあるが、このような長期連続計算をする際にはデータの質が変わっていることに注意が必要である。利用可能なオフラインデータを全て統合した解析雨量の「再解析」が実施されることが望まれる。良好な算定結果が得られた2010-2011の冬期について、各メッシュにおける積雪水量の最大値と最大値を示す日の空間分布から、手取川ダム上流域の高標高帯において積雪水量は4月上旬に2000mm以上に達することが示された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680688428544
  • NII論文ID
    130005491872
  • DOI
    10.11520/jshwr.28.0_100029
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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