白神山地ブナ林における水・炭素収支の季節変化

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タイトル別名
  • Seasonal changes of water and carbon budgets in Shirakami beech forests

抄録

落葉広葉樹であるブナは,比較的冷涼で湿潤な環境を好み積雪に強いため,日本においては日本海側に広く分布している.山地の森林は水源涵養の役割を期待されているが,特にブナはリター(落葉・落枝) が多いため,その能力は高いものと期待される.一方で老齢樹のある天然林は,朽ちた木や倒木の分解によりCO2を多く放出するため,間伐や択伐など適切な管理が行われている人工林のようなCO2の吸収源とはみなされて来なかった.しかし,最近では森林の炭素固定能力について精密な観測ができるようになり,老齢林もCO2の吸収源である観測事例も報告され,議論が分かれている.白神山地の中心部には特に原生的なブナ林が多く残っているため,世界自然遺産に登録されているが,今後温暖化が続くと白神山地のブナ林が消滅する可能性もある.そこで,このブナ林における水・炭素循環の特徴と環境変化によって受ける影響をモニターするため,微気象観測タワーを設置し,2008年8月より総合気象・乱流観測を継続している.ここでは,観測によりこれまで分かってきた水・炭素収支の季節変化の特徴を紹介する.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680688855680
  • NII論文ID
    130004628374
  • DOI
    10.11520/jshwr.25.0.160.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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