トンレサップ川ーメコン川合流点付近の河川水安定同位化に関する研究

Description

メコン川-トンレサップ川の両河川の合流点付近での混合の様子を明らかにするため、合流点付近の河川水のδ18O値を通年で調査した。その結果、トンレサップ川の流動方向に応じて、両河川の合流点付近のδ18O値は大きく異なった。雨期のトンレサップ川逆流時には、合流前のメコン川が流入するためにすべての採水地点で均一(-8.5~-8.9‰)となった。一方、乾期の始まりのトンレサップ川順流時には、合流前のメコン川とトンレサップ川の18O値は、それぞれ-8.6‰、-6.1~6.2‰と大きく異なっていた。また、合流点以降でも、右岸側(-6.2~-6.7‰)と、中央部・左岸側(-8.4~-8.6‰)とそれぞれの河川横断位置で異なる値を示すことは、両河川の水は合流後すぐに混ざらないことを示している。また、トンレサップ川が順流時、バサック川の河川水のほとんどはトンレサップ川から流入しているということが明らかになった。これらのことから、もし仮にトンレサップ流域内で河川により輸送される環境負荷物質の発生が起きた場合に、下流のメコン川の右岸側と左岸側とで影響が異なることが予想された。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680689776384
  • NII Article ID
    130005050601
  • DOI
    10.11520/jshwr.17.0.14.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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