味蕾の神経生物学的特性と味覚情報伝達機構の解明

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タイトル別名
  • Neurobiology and taste transduction mechanism of taste buds

抄録

味覚情報伝達に関わるシグナル物質の一つとして、ATP(Adenosine triphosphate)に注目して研究した結果、味神経にP2X3 イオンチャンネル型ATP受容体が発現すること、味細胞にP2Y1G蛋白質共役型ATP受容体が発現することが明らかとなった。うま味受容体の候補である代謝型グルタミン酸受容体(mGluRs)が味蕾の味毛に発現することを、免疫組織化学的ならびに免疫電顕的に初めて明らかとなった。味蕾の発生・分化にはNotchシグナル系遺伝子群の発現が重要であることを初めて明らかにした。また、Mash 1 を強制発現させた培養舌上皮細胞が、味蕾細胞のマーカー分子を発現する細胞へと分化誘導される可能性を示唆する結果を得た。アクチン結合蛋白質として知られる Villin が、カエル味蕾の味細胞の有力なマーカーとなりうることを初めて明らかにした。8020運動の85歳追跡調査で味覚についてのアンケートをおこなった結果、残存歯牙・服用薬剤が高齢者の味覚変化に関与している可能性あること示唆する結果を得た。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680690038784
  • NII論文ID
    130007022023
  • DOI
    10.11495/jkds.kds64.0.48.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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