Neurokinin B受容体アゴニストの末梢連続投与がシバヤギ弓状核キスペプチンニューロンの神経活動および黄体形成ホルモン分泌におよぼす影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effects of senktide on neural activity of arcuate kisspeptin neurons and pulsatile secretion of luteinizing hormone in goats
抄録
【目的】弓状核キスペプチンニューロンは,パルス状GnRH分泌を制御するGnRHパルスジェネレーターの本体である可能性が示唆されている。我々は,ヤギ弓状核キスペプチンニューロン近傍から多ニューロン発火活動(MUA)を記録し,MUAの特徴的な一過性上昇(MUAボレー)が,パルス状黄体形成ホルモン(LH)分泌と同期すること,またNeurokinin B(NKB)の脳室内への単回投与が,複数のMUAボレーを誘起することを明らかにしている。しかし,LH分泌に対するNKBの作用は,阻害(ラット,マウス,ヤギ)あるいは促進(ヒツジ)という相反する報告が存在し,明確ではない。本研究では,LH分泌に対するNKBの作用をより詳細に検討した。【方法】卵巣除去雌シバヤギ(n=4)を用い,弓状核キスペプチンニューロン近傍に記録電極を外科的に留置した。対照またはSenktide(NKB受容体アゴニスト)を頸静脈カテーテルより2時間連続投与(20nmol/分)し,神経活動におよぼす影響を解析した。また,6分毎に採血を行い,血中LH濃度をRIAで測定した。【結果】対照区では約22分の間隔でMUAボレーがおき,各々のボレーはパルス状LH分泌と完全に同期していた。Senktide区では,一定の間隔(4.70±0.48分)を保って非常に高い頻度でMUAボレーが引き起こされた。投与中のMUAボレー数は,対照区(5.8±0.5)に比べ,senktide区(15.8±0.6)で有意に増加していた(p<0.01)。LH分泌量は,対照区に比べsenktide区の方が若干高かったが,有意な差ではなかった。投与中のLHパルス数は,各パルス間の谷間が不明瞭であったため,解析不能であった。【考察】末梢へのsenktideの連続投与は,一定の間隔で連続してMUAボレーを引き起こすことが示された。各ボレーに対応してLHパルスが誘起されていると推察されるが,ボレー間隔が短いために明瞭なパルスとして観察されないと考えられた。また,senktideはLH分泌に有意な影響を与えないため,このペプチド自体がLH分泌に対して直接作用するわけではないと考えられた。本研究は生研センター「新技術・新分野創出のための基礎研究推進事業」の一部として実施した。
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 103 (0), 108-108, 2010
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680690749056
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- NII論文ID
- 130007022387
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可