Myostatinのアクチビン様活性に関する研究

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タイトル別名
  • Myostatin Exhibit Activin Like Bioactivities

抄録

【目的】Myostatinは1997年、TGF-βの類縁物質として8.5日令の胎児マウスのmRNAから発見されGDF-8と命名された。GDF-8遺伝子欠損マウスの骨格筋が肥大するためにGDF-8は骨格筋の増殖抑制因子、つまりMyostatinと命名された。我々はインヒビンやアクチビンの精製や生物活性に付いて検討してきたが、今回はアクチビンと構造的に類似しているMyostatinの生物活性に付いて検討した。 【方法および結果】生物活性:Myostatinの下垂体細胞からのFSH分泌促進作用とK562細胞のヘモグロビン産生誘導活性に付いて、3種類のアクチビンと比較検討した。アクチビンA とABは1ngから100ng/mLまで直線的にFSHの分泌を促進した。 MyostatinもアクチビンA 、ABと同様に強いFSH分泌活性を持っていたが、有効用量域での反応が良くなかった。しかし、全体として、アクチビンBより生物活性は強いことが示唆された。K562細胞は慢性骨髄性白血病患者から得られた未分化芽球でアクチビンの刺激によってヘモグロビン産生が誘導され、インヒビンによって抑制される。培養K562細胞にアクチビンA とABを添加すると約3ng/mLで頂値に達した。Myostatinの頂値は約10ng/mLであったが、さらに添加量を増加するとヘモグロビン産生反応は顕著に低下した。  アクチビンレセプターに対するMyostatinの結合:プレートのコーティングしたアクチビンIIA レセプターとEuアクチビンは良く結合し、添加した100ng/mLのアクチビンによりその結合は90%以上抑制された。アクチビンABもやや弱いながらも、同様な抑制曲線を示したが、アクチビンBの結合能は低くアクチビンA の5%以下であった。インヒビンとMyostatinの結合能はさらに2倍以上低いことが分かった。分子的な特性の不明確なGST-myostatin は全く結合能を持たなかった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680691503744
  • NII論文ID
    130007023300
  • DOI
    10.14882/jrds.101.0.133.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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