Mechanism of mouse sperm migration through the oviduct
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- USUI Tomoyuki
- Graduate School of Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba
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- ISHIKAWA Yu
- Ph.D. Program in Human Biology, School of Integrative and Global Majors, University of Tsukuba
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- YAMASHITA Misuzu
- Graduate School of Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba
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- KANEMORI Yoshinori
- Graduate School of Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba
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- BABA Tadashi
- Graduate School of Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba
Bibliographic Information
- Other Title
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- マウス精子の卵管移行機構
Description
【目的】哺乳動物の精子は,卵管を通過する過程で受精能を獲得する。現時点では受精能獲得が卵管峡部で起こっているという仮説が有力であり,精子は超活性化運動能を呈し,次いで先体反応を起こして卵管膨大部の卵子と受精する。しかし,卵管膨大部まで到達する精子は著しく少なく,精子が卵管をどのような制御のもとで移行しているかに関してはいまだに不明な点が多い。そこで,本研究では精子の卵管移行機構を明らかにすることを目的として研究を行った。【方法】精子の先体とミトコンドリアでそれぞれEGFPとDsRed2が発現しているトランスジェニック(TG)オスマウス(大阪大学伊川研究室より譲受)を野生型メスマウスと交配させ,交尾後6時間で卵管を摘出した。卵管は卵管峡部から卵管膨大部の間で7つの部位に分け,各部位に存在する精子数を算出した。また,先体反応の遅延があるACR欠損マウスや異常な先体構造を有し低妊孕性のACRBP欠損マウスをそれぞれ上記TGマウスと交配させることによって作製したオスマウスも調べ,それらの精子の卵管移行状況を野生型マウスと比較検討した。【結果】まず,野生型の精子を調べたところ,卵管峡部に200以上の精子が観察された。また,卵管峡部から卵管膨大部へ近づくにつれて精子数は急激に減少し,卵管膨大部では10前後の精子が存在した。ACR欠損マウスでは,卵管の各部位で野生型マウスとほぼ同数の精子が観察された。一方,ACRBP欠損マウスは卵管峡部で野生型マウスの約半数程度の精子しか見られなかったが,卵管膨大部には野生型マウスとほぼ同数の精子が存在していた。さらに,ACRBP欠損精子の形態を詳細に分類したところ,子宮には先体構造が異常な精子が数多く見られたが,卵管では正常に近い先体構造を有する精子だけであった。このように,ACRBP欠損マウスでは,精子が子宮から子宮卵管接合部へ移行する際に異常な精子が淘汰されていた。以上の結果より,精子の卵管移行では卵管峡部の通過が特に重要であることが示唆された。
Journal
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- The Journal of Reproduction and Development Supplement
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The Journal of Reproduction and Development Supplement 108 (0), P-49-P-49, 2015
The Society for Reproduction and Development
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680691870336
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- NII Article ID
- 130005492153
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed